家紋又名松本清張没後10年特別企画・家紋
粉雪舞う冬の夜…北陸の旧家・生田家の分家である市之助と妻の美奈子(岸本加世子)が何者かに惨殺された。犯人は夫婦の家を訪れ、本家の使者と偽って市之助を呼び出し、さらに美奈子も巧みに連れ出した。そして翌朝、2人の死体は村から町に通じる近道で無惨な姿となって発見された。犯人を目撃したのは、隣家の主婦・お房(泉ピン子)と市之助夫婦の5歳になる娘・雪代である。当初、犯人は雪代も連れてくるよう美奈子に指示したが、熱のあった雪代はお房に託されたため、道連れを免れた。お房は犯人の特徴として、生田家の家紋の入った提灯を持ち、頭巾を被った釣鐘マントの背の高い男と証言する。県警の松野刑事(大地康雄)らが捜査に乗り出すが、凶器や提灯などの物的証拠や証言に該当する男は見つからなかった。さらに本家と分家の繋がりの強い田舎では、地元民が協同で身を護るという姿勢が強く、それが捜査の...