砂の小舟又名The Sand Boat
間もなく十七歳になろうとしている少女と一歳年下の少年がいた。二人は幼い頃から仲良しだった。少女の*には大きな痣があり、少年は生まれながらに声が出なかったからだ。ある日、二人は海岸で砂に埋もれた古い小舟を掘り出す。二人は舟を修理して沖の小島に乗り出した。小島の海岸をはしゃぎ回る二人。すると舟も小犬のように波打ち際を追ってくる。村に帰ろうとする二人は小舟に乗ると、すごい勢いで、思いもかけぬ方向へひとりでに進み出した。小舟は大きく開いた大洞窟の中へ突入。二人はその*が**前のタイムトンネルであることに気がつかない。二人は五歳ぐらいの少女の案内で立派な部屋に通された。突然、頭上から五色の薄布が舞い下りてきて、二人は埋もれてしまう。正面の襖が開き十二単の女性が現われる。やがて、五色の布の下から現れてきたのは気を失った二人の姿。しかし、先程まで着ていたものは消え...