江戸忍法帖 七つの影
将軍綱吉治世の頃、柳沢出羽守吉保は、愛妾を将軍家に献上、これに子供が出来たのを機会に天下を取ろうとしていた。だがこれを砕こうとするのが狼人足柄悠太郎、前将軍家綱の御落胤。権力争いにまき込まれるのを心配した母の配慮で、ひそかに織部玄左衛門父子の手で育てられていた。織部達は、吉保の動きを知り、悠太郎を綱吉に対面させ、いち早く後継者にしようと計った。これを知った吉保は*部玄斎を首領とする甲賀七人衆に悠太郎の暗殺を命じた。玄斎は立派な忍者だが病床にあり、その上、息子小源太は術が未熟だった。高弟刑部達は玄斎の制止を無視し、徳川の血筋を守るためと、悠太郎の身辺に迫った。玄左衛門父子と、悠太郎を慕う少年丹吉が次々と殺された。家来達を殺され激怒した悠太郎は、吉保の邸に乗り込んだが、待ち構えた忍者達に窮地に追いつめられた。が、吉保の娘鮎姫に助けられ無事たちかえることが...