蒼い海流
企業新論の記者高須は社長四宮信乃と関係を結んで、編集長の生駒を蹴落しその後任となった。畷製薬の不正を種に脅喝した彼は情報をもたらした同社の社員郷子とも関係していた。彼はまた伊丹財閥の社長伊丹の後妻麻子を通じて伊丹に接触しようとしていた。信乃の一人息子哲太郎は、母の生活を嫌って家を出、好きな拳闘で身を立てようとしていた。麻子は哲太郎のファンであった。ある日、高須は彼を**している私立探偵布施を捕え詰問した。布施は信乃に依頼されたのだという。高須は驚いたが直ぐ倍の金を払って布施を二重スパイとした。麻子は布施の大学時代の恋人であった。信乃に依頼されて高須の身辺を洗っているうちに布施は麻子の近況を知った。高須は伊丹の息子荘一が手がけている飛弾ダム建設工事に関する贈収賄の事実を掴み、奥伊豆の土地を無償で手放し汚職を闇にほうむることを条件に、伊丹コン*ェルンの有...