華やかな女豹
パリ。藤島杏子は、清宮秀明から母への手紙を受取った。一人娘の令子の後見人になって欲しいという内容だった。杏子の母はすでに亡くなり杏子は母の心の恋人だった秀明の娘に逢いに東京に帰った。秀明も手紙を出した後、亡くなって、令子は、父の弟子達に囲まれて幸せだった。杏子は、その青年たちに近づいた。テスト・ドライバーの生田、現代学生の片岡、抽象彫刻家の金丸、陶芸を志す滝口、青年たちは、皆杏子に惹かれた。そんな頃、杏子の恋人福永敬次がパリから帰国した。突然帰国した杏子の態度が解せず、後を追って来たのだ。そして、杏子の友人シモーヌ・三木と共に杏子をなじった。しかし杏子は、悪徳画商から騙されそうな令子を、かげながら敬次とそれを防いだ。その時、令子は敬次の大人の男の頼もしさに惹かれた。令子は敬次と箱根にある彼の別荘に泊った。それを知った杏子は、別れを告げに、二人を訪ねた...