銭形平次
業平橋の下に、千両箱を背負った男の死骸が浮き上がっていたという報らせを、八五郎が持って平次の家へとび込んで来た。河向こうの**聞きの石原の利助が病気なので娘のお品が気をもんでいるときいて平次は出かけて行った。死体の袂にあった手紙から、三浦楳渓という絵師をたずねて見るとその楳渓も何者かに惨殺されていた。弟子の弥之助、女房のお喜多、姪のお栄、居候の浪人重太郎などを調べているうちに、またしても弥之助が殺された。楳渓と弥之助の腕にあった賽の目の刺青から、莫大な公金を奪って逃走中の六人組の強盗団の一味であろうと平次は目ぼしをつけた。お栄は平次に思慕の心を寄せ、六人組の内情を平次に明かそうとするが、一味のためにさまたげられ、平次は闇討ちに会い、女房のお静は拉致された。あやうく逃れた平次は、お多喜と船宿の男亀造をあやしいとにらんで千両箱の隠し図面をそれとなくみんな...